仮設商店街

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県内では最大規模となる宮古市田老(たろう)地区の仮設住宅団地に、地元の商店街がまるごと移転する計画が進んでいる。まずは80戸の入居が始まる5月10日前後に、大型屋外テントに食料品店や美容室などが並ぶ「仮設商店街」の開設を目指す。


商店街の移転計画があるのは、地区住民約650人が避難生活を送るリゾート施設「グリーンピア三陸みやこ」の敷地内に建設中の仮設団地。401戸に地区住民の約4分の1の千数百人が住むマンモス団地になるという。


田老地区には、住民らが信頼を込めて「万里の長城」と呼んだ防潮堤(総延長約2・4キロ、高さ10メートル)を越えて津波が押し寄せ、壊滅的な被害を受けた。


防潮堤は損壊し、沿岸に暮らすのは難しい。高台の仮設団地での生活は長期化が予想される。そこで市が「高台の人里離れた仮設団地でお年寄りが買い物難民にならない方法はないか」と宮古商工会議所に相談。商議所が「田老再生の第一歩に」と商店主らに呼びかけ、移転に向けて動き出した。花坂康太郎会頭は「被災した商店主らの再興の足がかりにもなる」と話す。


とりあえず屋外テントで商店街をスタートさせるが、将来的にはプレハブの店舗にする。田老地区の事業主約100人のうち、少なくとも約20人が出店に前向きという。その一人、食料品店主の箱石英夫さん(58)は自宅兼店舗が津波に流された。「被災者の生活再建を支える商業活動ができるのは誇りだ」


仮設への入居を希望している落合泰子(たいこ)さん(69)も「一人暮らしで車もないので、市中心部には買い物にいけない。ここに店ができてくれれば本当にありがたい」と歓迎する。


花坂康太郎会頭は「浸水した地域に再び住めるかは不透明で、この場所への長期的な集落移転になる可能性もある。さらなる出店を呼びかけていきたい」と話している。

岩手は何かと動きが早い、、、