11カ月

            • -

朝日新聞デジタル:震災11カ月、津波犠牲者悼む 福島・南相馬の萱浜地区 - 東日本大震災02/11

震災11カ月、津波犠牲者悼む 福島・南相馬の萱浜地区
福島県南相馬市原町区で11日、津波の犠牲者を悼む萱浜(かいばま)地区の慰霊祭が開かれた。震災1年となる3月11日は他の追悼行事と重なることも考えられ、1カ月前のこの日を選んだ。


 警戒区域に近い大甕(おおみか)生涯学習センターに設けられた祭壇には遺影が並んだ。主催した萱浜行政区によると、同区では77人が死亡・行方不明になった。妻を失った八津尾初夫区長(62)は「住宅再建や放射能への不安と課題は多いが、今日を境に歓声がこだまする古里をつくる」と語った。


 会社員の木幡(こわた)善光さん(51)と妻の祐子さん(51)も、息子の光太郎さん(当時17)、善光さんの父善雄さん(当時85)の遺影の前で、静かに花を手向けた。


 あの日、善光さんは仙台市、祐子さんは南相馬市内の職場にいた。光太郎さんが通う高校は休みで、亡くなった2人は海に近い自宅にいたとみられる。2日後に善雄さんの遺体が見つかった。それから2週間後、善光さんたちが原発事故で市外に避難していたとき、自宅から約1キロ北で見つかった遺体が光太郎さんと確認された。


 震災の直前、光太郎さんは目標にしていた危険物取扱者の資格を取った。3月9日付の合格通知は、現在暮らす家で額に飾っている。「前に進まないといけないでしょうが、区切りはつけられない」と祐子さん。善光さんは「この日を迎えられてよかった」と言いながら、「家族一緒が好きな子だった。墓が直っても遺骨はそばに置くかも知れない」と話した。(