AKB48 27th シングル 選抜総選挙 投票分析結果


政治山調査特別編「AKB48 27th シングル 選抜総選挙 投票分析結果」|政治・選挙プラットフォーム【政治山】

本サイト「政治山」を運営する株式会社パイプドビッツは昨年に引き続き、5月22日から6月5日まで15日間にわたり行われたAKB48の「AKB48 27th シングル 選抜総選挙」(以下、AKB48選抜総選挙)の第三者機関として、総選挙の投票システムの運用と投票集計を担当しました。政治山では今回も、AKB48選抜総選挙の投票データを詳細に分析、その結果を「政治山調査」特別編として報告します。


→ 調査の概要→ 1.投票状況→ 2.アンケート結果

調査の概要

1.投票方法
AKB48選抜総選挙の投票方法は大きく分けて2種類。
(1)シングルCD「真夏のSounds good !」に封入された投票券(以下、CD投票券)によるもの。
(2)ファンクラブや携帯サイトなどの会員によるもの。
2.分析対象とレポートの種類
(1)CD投票券による投票(893,738件)を対象に、投票状況や投票行動を集計。
(2)昨年に引き続き今回も、CD投票券による投票と同時に、アンケートを実施(回答数471,628件)。
   同アンケートデータをもとに、回答者の性別や年齢、居住地域などを集計。

基本データ

選挙結果発表がテレビで生中継されるなど、全国的な注目を集めた今回のAKB48選抜総選挙。今回の総投票数は、前回から約20%増加し、1,384,122件に達しました。実に、217,977件の増加です。そのうちのCD投票券投票も、前回比14.7%増の893,738件と伸長しています。ただ、アンケート回答数は今回、前回を下回り(同6.7%減)、471,628件となりました。

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1.投票状況
今回のCD投票券による投票は、携帯電話やスマートフォンなどのモバイルツールから行われました。前回同様、いわゆる「ネット投票」です。ここでは、時間ごとの投票数や、受付期間中にどのように投票数が伸びたかなどを集計しました。将来のネット選挙解禁時の動向を垣間見ることができました。


1-1.投票方法
1-2.時間帯別投票率
1-3.日付別投票数と累計

1-1.投票方法
今回のCD投票券による投票は前回から増加しましたが、総投票に占める割合を減らしました。前回のCD投票券投票は779,090件。今年は893,738件となり、114,648件増加しています。 しかし、総投票数にCD投票券投票が占める割合は、前回の66.8%から64.6%に微減しました。

1-2.時間帯別投票数
投票行動を時間ごとに集計しました。0時から早朝にかけてその数を減らし、その後、6時から増加に転じています。昼にいったんピークを迎えたのち、16時以降に一気に投票数が伸びていきました。特に多くの投票が行われたのは20〜23時の間です。この動きは、インターネットの利用形態とも似ており、「ネット投票」ならではのものとなっています。前回との対比では、すべての時間帯で今回が上回り、約15%増分の投票がまんべんなく行われたことがわかります。

1-3.日付別投票数と累計
受付期間中の日付ごとの投票の動きを集計しました。前回は投票受付期間が1日多かったとは言え、前回と今回で投票行動に違いが見られます。前回は2日目にピークをつくりいったん下降、その後、最終日に向けて投票数を伸ばしていますが結局、2日目が最高値となっています。一方、今回は2日目にピークをつくるなどの動きは同じですが、10日目以降に右肩上がりで投票数を伸ばし、そのまま締切日前日に最高値を記録しました。累計の棒グラフを見ても、その違いは明らかです。

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2.アンケート結果
CD投票券によるモバイル投票の際に、任意で回答を依頼したアンケートの結果をレポートします。ここでは、性別や年齢、お住まいの地域などを尋ねました(回答数471,628件)。



2-1.年齢と性別
2-2.地域別集計


グラフ1、グラフ2、投票数が多い層ランキング

2-1.年齢と性別
年齢構成を集計したグラフ1を見ると、10代が35.7%で最も多くなっています。以下、20代の24.6%、30代の20.1%、40代の13.4%と続きます。
全体の7割を占めた男性の年齢構成を見ると(グラフ2)、10代、20代、30代それぞれが約1/4ずつを占め、ほぼ同じ割合となりました。一方、女性の年齢構成は、10代が約6割と大きな割合を占めています。
20代は23.1%ですが、30代以上が急激に減り、男性とは大きく違った傾向を示しました。

地域構成比(全年齢)

2-2.地域別集計
投票者の地域ごとの構成をまとめました。人口分布から首都圏エリアが多くの割合(構成比)を占めるのは当然ですが、ここで特徴的なのは北海道・東北エリアと北関東・甲信越・北陸エリアです。それぞれ11.8%、14.6%となり、劇場のある中京エリア、京阪神エリア、九州・沖縄エリアを上回りました。エリア人口をベースとした「人口投票率」では、首都圏エリアの4.48‰(パーミル)が最高で、九州・沖縄エリアの2.59‰が最も低くなっています。ただし、前頁のグラフ1で8割強を占めた10〜39歳の層で見ると、北海道・東北エリアが最高となり、次いで首都圏エリア、3番目に北関東・甲信越・北陸エリアが続きます。北海道・東北エリアでは、全年齢対象と10〜39歳対象の人口投票率の差が最も大きくなりました。人口投票率では東高西低の傾向があり、SKE48NMB48HKT48といった西日本に集中する姉妹ユニットの存在が、こうした結果にどのような影響を及ぼしているのか、さらに細かな分析が必要になりそうです。

総評
全国規模でネット投票が行われるAKB48選抜総選挙は、将来解禁されるであろう“ネット選挙”のシミュレーションと位置づけて考えることもできそうです。CD投票券のシリアルナンバーによる投票者の管理や投票方法などは、公職選挙におけるネット選挙やネット投票の際にも活用できるかもしれません。
 また、投票者の行動分析も、将来のネット選挙実現に向け生かせるのではないでしょうか。インターネットを使った24時間投票可能な仕組みは、仕事や学校を終え帰宅してからの投票を可能にし、投票率の底上げにつながる可能性があります。こうしたデータを、若年層の投票率と参加意識の低下という長年の課題を解決するきっかけにできれば、インターネットの活用はさらに広がるかもしれません。
 これまで2回のAKB48選抜総選挙を見てきた政治山はこれからも、「ネット選挙」「ネット投票」の可能性に注目していきます。